香川県建設業協会 創立70周年記念誌
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香川県建設業協会 最近20年のあゆみ 2004年(平成16)年8月31日、香川県内は大混乱の朝を迎えた。町中が水浸しになり、交通機関や道路は寸断され、水没した車や故障車は路上に放置されたまま…。朝の通勤ラッシュと重なり、高松市内に向かう道路は大渋滞に見舞われた。 県下に未曾有の被害をもたらした台風16号は、8月30日の9時30分ごろ、九州に上陸し、その後中国地方を縦断。香川県でも早朝から暴風・波浪警報は発令されたが、雨はさほど降っておらず、大きな被害はないだろうと予想していた。実際、16時45分に大雨・洪水警報が発令されたときも、雨は強くなかった。 21時を過ぎたころから様相は一変した。この時期は大潮の時期であったことと、台風の最接近と満潮の時間が重なったため、沿岸部を中心に住宅への浸水や道路冠水が発生。被害の想定される地域に相次いで避難勧告が発令された。ただ、高松市福岡町、松島町周辺など一部の地域には避難勧告が発令されず、最悪の被害を出すことになった。浸水は8月31日1時30分ごろまでには解消に向かっていたが、福岡町などでは9月1日未明まで冠水したままであり、ゴムボートが出動し自動車が立ち往生したり、マンホールから水が噴出する光景がニュースなどで伝えられた。 台風が過ぎ去った後、消防や自治体とともに当協会の各会員も復旧活動に当たった。会員の中には、自分の会社が浸水しているにもかかわらず、地域の復旧を優先し、参加した企業もあった。県下を襲った大災害2004年(平成16年)高潮被害(台風16号)台風23号による高潮で水没した高松市街香川県建設業協会 創立70周年記念誌144

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