香川県建設業協会 創立70周年記念誌
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協会70年のあゆみ業仕分け」を開始。公共事業についても「コンクリートから人へ」のスローガンのもと、予算の大幅な削減を余儀なくされた。このため、全国の建設会社は大打撃を受け、業界全体が疲弊する事態となった。県内でも高松自動車道の全線4車線化がストップするなど工事量が減少したことから、建設会社、専門工事会社の廃業や熟練労働者の引退、離職が加速し、若年労働者の採用も減少した。 高い支持率で始まった民主党政権は、政治献金問題や2011(平成23)年の東日本大震災による福島原子力発電所事故の対応が遅れたことなどにより支持率は下降の一途をたどることとなった。また3年間で2回も内閣総理大臣が代わり、党を離脱する議員の増加などによって国民の信頼も失っていった。 民主党政権最後の野田内閣は、総選挙を求める野党自民党に対して、衆議院議員定数削減法案の可決を条件に解散した。2012(平成24)年12月16日の第46回衆議院議員総選挙で惨敗し、26日に総辞職した。民主党を中心とした連立政権は1198日で終焉した。 自民党が政権に返り咲き、第二次安倍内閣のもと、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の3つの経済成長を目的とした「アベノミクス」を掲げ、日本経済の再建に乗り出した。公共工事の予算も徐々に増え、工事量は増加したが、民主党政権時代の影響により、公共工事を請け負う建設会社や専門工事会社などの不足が浮き彫りになった。特に、若年労働者を中心とした職工や技術者の不足は深刻で、香川県でも建設業の有効求人倍率は約6倍と人材難が常態化している。 現在の日本経済は景気も回復し、バブル期以上の好景気とも言われている。特に建設業は、東日本大震災などによる復興需要、東京オリンピック・パラリンピックに向けた五輪需要などで、過去最高益を記録している大手企業もある。しかし、県内の建設会社は、好景気の恩恵を受けているとは言えない。政治や経済の動きは国民の生活に作用し、建設業にも大きな影響を与える。今後一部の都市や大手企業だけでなく、地方も含めた日本全体の景気が良くなる政策を期待している。3年余りの短命政権地方を含めた「日本」を元気に《協会本部・正会員完工高推移》200,000150,000100,00050,0000(百万円)(年度)250,000民主党政権時代平成20年度平成21年度平成22年度平成23年度平成24年度平成25年度平成26年度平成27年度平成28年度172,120155,638141,960141,960135,827135,827137,587137,587149,641164,444230,281218,983The 70th anniversary commemorative book157

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