香川県建設業協会 創立70周年記念誌
216/274

執行部座談会【筒井】建設業界では、技術者・担い手の不足が大きな問題になっています。それを解消するために、ICT施工や週休二日制の導入、2018年の秋から運用予定の「キャリアアップシステム」など、働き方改革が求められています。これらの取り組みに対してどうお考えですか。【森田】週休二日制については、国、県でモデル現場を作って実施していますが、土日の工事を完全に止めてしまうと生産性は2割下がります。若年技術者の入職を考えると、週休二日制は取り組まなければなりませんが、その分コストもかかります。今までの生産性を維持しようとすると、人件費などを含めて発注価格の見直しが必要です。【朝倉】若い人に建設業界に入ってもらうためには、職場環境の整備に取り組み、変えていかなければなりませんが、技能労働者の多くは日給月給の人が多く、給与体系についても考慮しないといけません。【井元】ICT施工は、地方の中小企業にとって、必ずしもコスト削減にはつながらないと思います。新しい機械を投入するにはコストがかかりますが、投資に見合った仕事量が香川県にあるかと言われると、そこまでの大きな工事はないのが現状です。【富田】現状の施工方法からするとICT施工はごく限られた一部の分野で使われているだけで、全てにおいて効率が上がるわけではないと思います。【村上】将来的にはICT化は必要だと思っています。国土交通省では、小規模工事のICT化も今、求められている働き方改革の取り組みに対して担い手不足の解消に向けて香川県建設業協会 創立70周年記念誌214

元のページ  ../index.html#216

このブックを見る