建退共Q&A

被共済者の加入について

Q1技術系社員は、被共済者となることができますか。

技術系社員のうち、現場労働者性のある者は建退共に加入できます。

 手帳申込書の「注」に、加入できない者の例示として「本社等の事務専用社員」と記載してあるのは、明らかに現場労働者性がないと考えられるからです。

 技術系社員は、所属が「本社等」であっても、現場に出ることもあり、現場労働者性を否定できない場合もあります。そのような場合には加入できると考えます。

 しかし、技術系社員であっても、設計部門、研究所、本社企画部門等、現場と関係のない場合には「本社等の事務専用社員」と同様加入できないと考えます。

Q2現場で働いている役員は建退共制度に加入できますか。

企業の役員は加入できませんが、例外的に加入できる場合もあります。

 企業の役員は、「雇用主」であって、「雇用されている者」ではありませんので、原則として、中退法の退職金制度(中退共、建退共など)の被共済者には該当しませんが、「取締役○○部長などのように従業員としての身分を有し、賃金の支給を受けている者」については、例外的に加入を認めています。

 建退共制度は、現場労働者を広く対象としていますので、上記の「従業員性」が認められる者で、かつ、現場労働者的な面がある者については、加入が出来ます。ただし、役員報酬を受けている方は加入できません。

Q3過去に建退共の退職金を受領しましたが、再度加入することができますか。

退職金受領後に、改めて、建設事業所に雇用され、建設現場で働く場合は、加入の対象となります。

 この場合は、新規加入扱いとなりますので新たに手帳申込手続きを行って、新規の被共済者番号をうけることになります。

Q4労働者の加入について、労働者個人が加入の手続きをとれるのでしょうか?

労働者個人が加入手続きをとることはできません。

 建退共制度は、事業主がその雇用する労働者について退職金共済契約を締結し、掛金を払うものですから、事業主が加入しなければ、労働者だけが加入するということはできません。

 逆に、事業主は、共済契約を締結したときに雇用している労働者又は共済契約締結後に新たに雇用した労働者が建退共の対象者であれば、速やかに共済手帳の交付を申請しなけばならないことになっています。

 該当者について、共済契約者である事業主が共済手帳の交付の手続きを取っていないということであれば、事業主(共済契約者)を指導します。

Q5建設業者に雇用されていれば現場のガードマン、炊事婦、運転手も加入できるのでしょうか?

加入できます。

 建退共制度は、もともと、大工、左官、鳶、土木などの建設業の現場労働者が現場を転々と移動して仕事をするため、通常の退職金制度に馴染まないので、設けられた制度です。
 このため、中小企業退職金共済法では、建退共制度の被共済者となる者は、建設業を営む事業主に期間を定めて雇用される者で、建設業に従事することを常態とする者としています。

 しかしながら、建設業界の雇用実態は複雑ですので、従来より、「建設業を営む事業主に雇用されている労働者で、建設業の現場で働いてる者」は全て建退共制度の被共済者となりうるものとしています。
 この要件に該当すれば、ガードマン、炊事婦なども被共済者となることができますが、「建設業者に雇用されている」という条件に該当しなければ被共済者となることはできません。つまり、建設現場で働いていても、警備会社から派遣されたガードマン、給食会社が食堂を請け負っている場合の炊事婦などは対象とはなりません。

Q6共済契約者が被共済者となる者の加入手続きを忘れていた場合、加入年月を遡ることはできますか。

2年以内に限り遡れます。

ただし、事業主が共済契約を結んでいたにもかかわらず、手帳申込を失念しており、手帳が交付されていなかった場合に限ります。この場合には、「共済証紙の遡及貼付申出書」及び「共済手帳申込書」と賃金台帳又は出勤簿等を添付して申請してください。(掛金の納付を受ける権利は2年以内となっていますので、2年以上遡ることはできません。)

 労働者は、事業主が建退共との間で退職金共済契約を結んだ時から被共済者となるため、事業主が共済契約を結ぶ前から当該事業主のところで働いたとしても、遡って共済証紙を貼ることはできません。

 事業主は、共済契約を締結したとき、または、新たに従業員を雇用したときは、当該従業員が建退共の対象であれば、速やかに共済手帳の交付を申請しなければならないことになっています。

証紙購入について

Q1共済証紙はどのくらい購入すればよいのでしょうか?

共済証紙は、必要な枚数(対象労働者の延べ就労日数分)だけ購入するのが原則です。

 共済証紙の購入については、建退共制度の対象労働者数及びその延べ就労日数を的確に把握し、必要な枚数を購入すべきものです。この場合において、的確な把握が困難であるときは、当機構において、工事規模別・工種別の「共済証紙購入の考え方」を定めているので、必要に応じ、これを参考として活用してください。
 なお、公共工事を受注した場合などで、発注機関から別途の指示があった場合には、それに従ってください。(当機構としても、上記「共済証紙購入の考え方」の趣旨を各発注機関にご説明していますが、各発注機関における取扱いには、差異がある場合もあります。

Q2共済証紙の購入は、公共工事のみでよいのでしょうか?

民間工事の場合にも共済証紙を購入してください。

 建退共制度は、公共工事・民間工事の区別なく、被共済者が働いた場合には、その働いた日数に応じて共済証紙を貼ることとされています。従って、公共工事で発注者から共済証紙購入の指導がある場合のみでなく、他の工事についても必要な共済証紙を購入して、被共済者の共済手帳に貼付するようにして下さい。

Q3公共工事を受注した場合、受注業者(元請)に証紙を購入させる根拠について教えてください。

公共工事の発注機関では、建設現場で働く労働者の福祉の向上を図るため、建退共の掛金相当額を現場管理費の一部として積算するなどの措置が講じられているとともに、公共工事を受注した建設業者に対して、建退共制度に加入するよう指導しています。
(1)掛金の積算
  1. 国土交通省においては、直轄工事に係る工事費の中に掛金相当額を現場管理費の一部として積算しており、他の省庁、公団、事業団、公社等においても、同様の積算措置が講じられております。
  2. 昭和41年度からは、補助事業に係る工事費の中にも掛金相当額を積算することとし、都道府県及び指定都市に対し通達されています。これを受けて、各都道府県は、管内の市町村に対し同趣旨の通達を発出しています。
(2)加入履行の促進措置
  1. 公共工事の発注機関が行っている経営事項審査において、建退共制度への加入の有無を確認するため「経営事項審査申請用建設業退職金共済事業加入・履行証明書」を提出させています。また、指名願いに際しても同証明書を提出させており、建退共制度に未加入の事業者、共済証紙の購入や貼付が不十分な事業者については、工事の指名等において考慮することがあることとしています。
  2. 工事契約締結の都度、工事を受注した建設業者から掛金収納書を契約締結後1ヶ月以内に提出させています。
  3. 工事発注の現場説明において、共済証紙購入及び共済手帳への共済証紙の貼付の必要性等を説明しています。

Q4公共工事で積算されているときは、どんな場合でも証紙を購入しなければいけませんか。

原則として公共工事の場合、発注者は受注業者に対し建退共の共済証紙を購入するよう指導していますが、例外的に共済証紙を購入させる必要のない場合もあります。

 建退共の掛金は、公共工事の積算においては、通常、「現場管理費」の中の「法定福利費」の中に積算されていますが、受注者は必ずしもその通りに費用を支出しなければならないものではありません。例えば、設備工事などで、受注した工事に従事する労働者が全て他の退職金制度の適用を受けている場合など、別の形で要件が満たされていることも考えられますので、その工事にかかわるすべての労働者が建退共制度の対象とはならないケースでは必ずしも証紙を購入させる必要はないと考えます。

Q5証紙が余った場合、他の公共工事で流用しても良いですか。

証紙が余った場合は、原則、他の民間工事で使用してください。

 しかしながら、発注者によっては、一定の条件(受注した工事で適正に証紙を購入し、証紙の貼付も適正に行われていることが明らかな場合等)を満たせば他の公共工事で使用することを認めている場合もありますので、発注者にご確認ください。

Q6平成26年4月からの消費税増税にともなって、共済証紙の日額(320円)が変わりますか。

変わりません。

 建退共の証紙の税法上の取扱いは、非課税(印紙税法第5条第3項別表第3)の取扱いとなっており、証紙の販売額には消費税は含まれておりません。

証紙貼付について

Q1更新手続きが遅れた場合は、250日分以上の共済証紙を貼付できますか。

証紙を貼り忘れた場合には、原則として当該手帳の交付年月日まで遡り、最大730日(365×2年間分)までの貼付をすることができます。

 なお、この場合には、台紙を利用して貼付することになりますが、消印は必ず行ってください。掛金の納付を受ける権利は2年以内となっていますので、原則として2年以上遡って貼付することはできません。

Q2休祝日であっても労働日の場合には、共済証紙を貼付してよいのでしょうか?また、有給休暇の場合は、貼付してよいのでしょうか?

貼付してください。

 共済証紙は就日数に応じて貼付することになっていますので、休祝日であっても労働者が働いた日の場合は貼付してください。また、有給休暇は就労していなくても貼付してください。

Q3有給休暇でも証紙を貼付しなければなりませんか。

共済証紙は就労日数に応じて貼付することになっていますので、休祝日であっても労働者が働いた日や有給休暇、「事業主の責めに帰すべき休業日」には就労しなくても貼付してください。

 休祝日又は欠勤し、就労していない日は貼付できませんが、共済証紙は就労日数に応じて貼付することになっていますので、休祝日であっても労働者が働いた日や有給休暇、「事業主の責めに帰すべき休業日」は、就労しなくても貼付してください。

 なお、慶弔休暇や夏期休暇などについても有給休暇の扱いとなり、貼付の可能性はあると思われますが、建退共の取扱いは個々の雇用条件等において定められている場合もありますので、事業主に確認のうえ対応するようにしてください。

Q419時~翌朝5時まで勤務した場合、証紙を何枚貼付すればいいですか?

1枚です。
共済証紙貼付基準
  • 1暦日について1枚を貼付
  • 就労時間8時間単位で1枚を貼付(16時間で2枚、24時間で3枚)
  • 就労時間が8時間を超え、かつ2暦日にわたる場合
    →16時間に満たなくとも、8時間を超える部分が8時間にみたなくても2暦日目が4時間を超えれば2枚を貼付
    →24時間に満たなくとも、16時間を超える部分が8時間にみたなくても2暦日目が4時間を超えれば3枚を貼付

 今回の場合は、19時~3時までで8時間(ここで1枚)、8時間を超える部分が3時~5時までで2時間(2暦日目が4時間に満たないので0枚)のために、1枚となります。

Q5事業主が一人親方を雇った場合は、証紙を貼って良いですか。

事業主が一人親方を直接雇用したときは、証紙を貼付してください。

証紙交換等について

Q1建退共の手帳が1冊目なので10日券が貼れません。どうしたらいいですか。

共済証紙は、1日就労したら1枚貼ることになっている制度ですので、1日券だけでよいところですが、事務処理を軽減するために10日券は便宜上作成したものです。

 ただし、1冊目の共済手帳は掛金助成手帳となっており、5日働いたらその内の1日分の掛金が免除される仕組みとなっており、期間雇用者が事業主を変わったときでも公平に掛金助成措置が受けられるよう10日券は使用できないようにしてあります。

 なお、赤証紙の10日券1枚は赤証紙の1日券10枚に、青証紙の10日券1枚は青証紙の1日券10枚に共済証紙取扱金融機関の窓口で「共済契約者証」を提示して交換することができます。(元請事業主から交付された赤証紙の10日券を下請事業主が赤証紙の1日券に交換することも可能です。)

Q2青証紙と赤証紙の交換はできますか。

青証紙から赤証紙への交換、赤証紙から青証紙への交換はできません。

Q3証紙が余った場合は、建退共で証紙を買戻してもらえますか。

共済証紙の買戻しの申し出ができるのは、中退法施行規則により「特定業種退職金共済契約が解除されたとき」及び「被共済者となる者を雇用しなくなったとき」と定められており、建退共との契約が解除となったとき以外は証紙の買戻しはできません。

Q4工事が中止、減額になったのですが証紙の代金は返還してもらえますか。

発注者の都合で工事が中止、減額になった場合は、誤購入した証紙の代金を返還できます。

 その場合、工事契約の中止、変更が確認できる発注者の証明等の書類が必要となりますので、手続きについては、事業本部経理課まで連絡してください。

Q5旧証紙が出てきましたが、現在の証紙と交換できますか、また手数料は発生しますか。

建退共本部で新証紙への交換を行っています。

 建退共のホームページから「証紙交換申請書」及び「証紙交換通知書」をダウンロードし、必要事項を記入のうえ、交換する旧証紙とともに、返信先を記入した封筒(切手不要)を同封し建退共本部経理課へ簡易書留等で送付してください。
 なお、交換の手数料は無料となっております。

《 旧証紙交換の注意事項 》
  • 交換できる旧証紙は、消印をしていない未使用のものに限ります。
  • 青証紙から赤証紙への交換はできません。
  • 建退共本部での取扱いは、差額金を徴収することはできませんので、金額換算をした上で、端数は切り捨てとさせていただきます。
  • 交換の申請をいただいてから建退共本部より現行証紙を発送するまで、1ヵ月ほどかかります。

共済手帳の取扱いについて

Q1建退共の被共済者が一人で2冊以上の手帳を所持している場合の処置について教えてください。

1人の労働者が2冊以上の被共済者番号が違う手帳を持っていることが分かった場合は、共済契約者から、重複しているすべての共済手帳と共済手帳重複届を各都道府県建退共支部に提出してください(押印は必要ありません)。
  1. 共済手帳が重複している場合は、加入年月が古い方の被共済者番号を存続することになりますが、その場合、重複しているすべての共済手帳の証紙貼付実績を合算し、存続する1冊の手帳に取りまとめることになります。
    ① 重複手帳を紛失していた場合は、「共済手帳紛失又は棄損による再交付申請書」(様式第017号)を提出します。
    ② 存続する共済手帳が返納されていた場合は、「返納手帳の再交付申請書」(様式第028号)を提出します。
  2. 共済手帳の重複により掛金助成を二重に受けた場合、被共済者一名につき、受けられる日数は最大50日分となっておりますので、これを超える場合には、50日分を超える部分の共済証紙を建退共各都道府県支部へ提出してください。

Q2建退共の請求できない1冊目の手帳でも本人に手帳を渡すのですか。

建退共の共済手帳は被共済者に帰属するものであり、建設業で従事する限り全国どこでも通用し有効期限もありませんので、建設業界を引退する場合に貼付実績が12月(21日を1カ月と換算)以上あれば退職金を請求できることなど、必ず被共済者に説明したうえで共済手帳を渡してください。ただし、「退職金請求事由発生年月日」が平成28年3月31日以前の場合、24月以上の時に請求できます。(遺族請求は12月以上で請求できます)

加入・履行証明について

Q1経営事項審査で加入・履行証明書が発行されるとどのような特典があるのですか。

経営事項審査において加点評価の対象となりますので、建退共に加入していない企業と比較したときに総合的に評価が高くなり、公共工事を受注する際に有利になります。

 ただし、建退共に加入していることによって、必ずしも工事が受注できることを保障しているものではありません。

Q2公共工事入札時の経営事項審査では、他の退職金制度の加点評価はないのですか。

経営事項審査において退職金制度に対する加点項目には、建退共制度のほか、「退職一時金もしくは企業年金制度の導入」という項目があり、これらの制度と建退共制度を併用している場合には、最大で30点の加点措置が得られることとなります。

(建退共制度単独の場合、15点)

Q3建退共制度に加入したら、すぐに「加入・履行証明書(経営事項審査)」の発行を申請できますか。

建退共へ加入した日から決算日までの期間が1年に満たない場合においても、一定期間の適正な証紙の購入及び貼付実績を証明する添付書類により、証明書が発行されます。

 建退共へ加入した日から決算日までの期間が1年に満たない建設業者についても、履行実績を証明する添付書類として、当該加入日から決算日までの

  1. 掛金収納書(写し)
  2. 共済手帳受払簿(写し)
  3. 共済証紙受払簿(写し)

を提出するようになっています。
なお、建退共制度加入後に履行実績がない場合には、証明書を発行することができません。

Q4受払簿は弊社独自で作成したものを経審用に添付しても良いですか。

経営事項審査申請用の「加入・履行証明願」に添付する共済手帳受払簿及び共済証紙受払簿は、必要事項を記入していれば、必ずしも建退共で定めた様式による必要はありません。

Q5共済証紙受払簿は、下請が複数ある場合は、合計を書くだけで良いのですか。

共済証紙受払簿は下請が複数ある場合は、下請名が全てわかるように記載して下さい。

現場標識シールについて

Q1公共工事を受注しましたが、下請が証紙の配布を辞退した場合は、現場標識シールを掲示する必要はありますか。

「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」(平成12年11月27日公布)により、「公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針」が策定され、その指針の中では、国、特殊法人及び地方公共団体の全ての発注者を通じて、建設業退職金共済制度の適用を受ける事業主に係る工事現場であることを示す標識の掲示等の確認を行うこととされていますので、公共工事を受注したときは、必ず標識シールの掲示をする必要があります。

Q2都道府県の支部名の入った現場標識シールは、他県で使用することができますか。

できるだけ工事を実施する現場事務所(作業所)所在地の建退共支部名のものを掲示するよう指導していますが、他県の工事で使用しても差し支えありません。

Q3現場標識シールの大小の使い分けを教えてください。

現場標識シールは、下請の事業主と労働者の意識向上を図るため、現場事務所及び工事現場の出入り口等見やすい場所に掲示すれば、会社で掲示するスペースなどにより、大(A3サイズ)小(A4サイズ)どちらのサイズを使用してもかまいません。

Q4現場標識シールの入手方法を教えてください。

シールを貼る現場用に購入した、建退共証紙の領収書(掛金収納書)に発注者名と工事名を記入したものを提示して下さい。無料で必要枚数をお渡しします。

 窓口まで来られない場合は、掛金収納書をFAXで送信してくだされば、郵送いたします。
 その際は、送付先とシールのサイズ、希望枚数をお書き下さい。

事務局概要

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    香川県高松市磨屋町6番地4
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